平方と平方根
2乗のことを平方といいます。
単位などでも平方という言葉は使われています。(例:cm2=平方センチメートル)
3の平方=32=9
したがって、9は3の平方といいます。
今の2乗する計算で
9という平方を作るための根源(もとになったもの)は3でした。
平方を作るための根源(もとになったもの)を平方根といいます。
9という平方を作るための根源(もとになったもの)は3
9の平方根=3
ただし(−3)2も9になります。
したがって9の平方根=±3になります。
平方根はプラスとマイナスの2つがあるので注意。
2乗して0になるものは0だけなので、0の平方根は0だけ。
2乗してマイナスになるものはないので、負の数の平方根は存在しない。
平方根はプラスとマイナスの2つがある
0の平方根は0だけ 負の数の平方根は存在しない |
根号
3の平方根の場合、2乗して3になる数は1.732・・・と無限に続くため、書き表すことができません。
このような場合、と書き、ルート3と読みます。
したがって、3の平方根は±です。
の記号は根号(こんごう)といい、ルートと読みます。
書き換え
9の平方根は±3でした。
また、9の平方根は±と表すこともできます。
したがって3=ということがいえます。
<注意>
=3 (±3ではありません)
書き換えの場合は符号は±にしないで、そのままの符号になります。
平方根は?と聞かれたときだけ±をつけます。
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根号の中身を素因数分解し、
2乗の形になったものは
根号の外に出すことができる。 |
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2乗の形にならなかったものは
そのまま根号の中に残る。 |
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根号の中身を素因数分解したものは
25×3と直さずに、2乗の形ごとにまとめて
22×22×2×3とした方がわかりやすい。
最後に根号の外側同士、内側同士の計算 |
平方根の中身が分数の場合 |
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のように直すことができます。 |
平方根の乗法
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例
@ |
× |
= |
・・・根号の中身同士をかけあわせる |
|
×2 |
=2 |
・・・根号の中と外のものは計算できない
(文字式同様に×を省くだけ) |
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2×5 |
=10 |
・・・根号の内側同士、外側同士計算する |
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2×3 |
=6
=6×
=6×2
=12 |
・・・の内側同士、外側同士計算する
・・・●=●×と書き換えると間違えにくい
・・・の中身が簡単な形に直す
・・・の外側をもう一度計算 |
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× |
=2×2
=6 |
・・・最初にの中身が簡単な形に直したほうが計算が簡単になる ・・・の内側同士、外側同士計算する |
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乗法では、根号の内側同士、外側同士に分けて計算
最後は必ず根号の中身を簡単な形に直す |
平方根の加減
3+2を例に考える。
まずをAとおくと、
3+2=3A+2A=5A
ここでAにをもどすと、答えは5になる。
したがって平方根の加減では、根号の中身は変えずに、根号の外側だけを計算する。
平方根は文字式と同様の考え方で計算できる。
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例
A |
3+2 |
=(3+2) |
・・・の中身が同じものは、外側だけの計算 |
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+2 |
=1+2
=(1+2)
=3 |
・・・=1であることを確認
・・・の中身が同じものは、外側だけの計算
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|
++ |
=1+1+
=(1+1)+
=2+ |
・・・=1であることを確認
・・・の中身が同じものだけ計算できる
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|
3−2 |
=(3−2)
=1
= |
・・・ひき算も同様にの中身が同じものは計算
・・・1の場合、文字式と同様に1は省略できる
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有理化
分母に根号がある場合、分母から根号をなくす作業をします。このことを有理化(ゆうりか)といいます。
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例
B |
|
= |
|
×1 |
|
|
|
・・・ある数に1をかけても答えが変わらないことを利用 |
|
|
・・・1= |
|
に変える(分母の平方根と同じものにする) |
|
|
|
|
|
= |
|
|
2 |
|
・・・結果的に分母から根号がなくなる(有理化) |
|
|
|
2 |
|
= |
|
×1 |
|
2 |
|
・・・ある数に1をかけても答えが変わらないことを利用 |
|
|
・・・1= |
|
に変える(分母の平方根と同じものにする) |
|
|
|
|
|
= |
|
|
2 |
|
|
= |
3 |
|
2×3 |
|
・・・結果的に分母から根号がなくなる(有理化) |
= |
|
|
2 |
|
・・・最後に約分を忘れずに(約分は根号の外同士) |
|
平方根の除法
乗法と同様に、根号の内側同士、外側同士に分けて計算し、
最後は必ず根号の中身を簡単な形に直します。
最後に有理化を忘れずに。
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例
C |
÷ |
= |
・・・根号の中身同士をわり算する |
|
÷2 |
= |
1 |
|
|
2 |
|
・・・根号の中と外のものは計算できない
(文字式同様に×を省くだけ) |
|
6÷2 |
=3 |
・・・根号の内側同士、外側同士計算する |
|
2÷ |
= |
2 |
|
|
|
・・・ここで終わりではない |
|
|
・・・分母を有理化する |
= |
2 |
|
2 |
|
|
= |
・・・約分を忘れずに |
|
平方根の乗法
|
|
例
D |
× |
=(×)×(×)
=(×)×(×)
=7 |
・・・素因数分解を利用してを分解する
・・・の中身の同じものがないか探し、並び替えをする
・・・それぞれ分けて計算する |
|
×× |
=(×)×(×)×(××)
=(××××)×(×)
=(×)×(×)××(×)
=2×2××3
=12 |
・・・素因数分解を利用してを分解する
・・・の中身の同じものがないか探し、並び替えをする
・・・の中身の同じものを2個ずつセットにする
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|
平方根の加減
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例
E |
+ |
|
|
3 |
|
= |
3 |
+ |
1 |
|
|
3 |
3 |
|
・・・通分する( |
|
= |
1 |
であることに注意) |
|
|
3 |
3 |
|
|
= |
4 |
|
3 |
|
|
|
+ |
=+2
=3 |
・・・最初にの中身を簡単にする
|
|
平方根の除法
|
|
例
F |
|
・・・わり算をかけ算になおす
・・・約分する
|
|
いろいろな計算
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|
例
G |
2 |
+ |
|
|
|
|
3 |
|
= |
2 |
+ |
|
|
|
2 |
3 |
|
・・・有理化する |
|
=+ |
|
|
3 |
|
・・・約分する |
= |
3 |
+ |
1 |
|
|
3 |
3 |
|
・・・通分する( |
|
= |
1 |
であることに注意) |
|
|
3 |
3 |
|
= |
4 |
|
3 |
|
|
|
+÷ |
=+
=2 |
・・・四則混合計算の順序に沿って計算する
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|
(−) |
=×−×
=2−2 |
・・・分配法則を用いて計算する
|
|
(−)÷ |
=÷−÷
=−1 |
・・・分配法則を用いて計算する
|
|
|
|
・・・有理化する |
|
|
|
|
・・・分配法則を用いて計算する |
= |
−2 |
|
2 |
|
|
|
近似値@
=2.236として、の値を求める。
=10だから
=10×2.236=22.36
近似値A
=2.236、=7.071として、の値を求める。
5000は以下の2通りの方法で書き換えることができる。
5000=5×103 |
|
5000=50×102 |
・・・こちらが正解 |
2乗の形になったものは根号の外に出すことができるので
=10と直すことができる。
したがって、=10=10×7.071=70.71
近似値B
=2.236、=7.071として、の値を求める。
0.05= |
5 |
であるため、 |
|
100 |
= |
|
= |
|
=0.2236 |
|
|
|
10 |
近似値C
=2.236、=7.071として、の値を求める。
0.5は以下の2通りの方法で書き換えることができる。
近似値D
=2.236として、 |
2 |
の値を求める |
|
|
まず先に有理化してから代入し、計算する。
2 |
= |
2× |
= |
2 |
= |
2 |
×= |
2 |
×2.236=0.8944 |
|
|
|
|
|
|
× |
5 |
5 |
5 |
大小関係@
3<<4をみたす自然数aをすべて求める。
3と4を根号を使って表すと
<<
したがってa=10、11、12、13、14、15
大小関係A
2<<3をみたす自然数aの個数を求める。
2と3を根号を使って表すと
<<
すべて倍すると
<<
したがってaは20より大きく45未満の自然数であることがわかる。
答え:24個
その他の応用
が正の整数になるような自然数aのうち最小のものを求める。
したがってa=5のとき根号がなくなる。
答え:a=5
では、が正の整数になるような自然数aのうち小さいものから3つを求める。
まずa=5のとき根号がなくなる。
それ以外でが正の整数になる時を考えると
=×(×)
=×(×)
=×(×)
などのようにに同じものを2回かけ合せたときがこれにあたる。
したがってa=5、20、45
|