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勉強内容の解説・ガイド

因数分解 <中学校数学>


共通因数をかっこの外に出す因数分解

各項に共通する因数を共通因数といいます。

●×△+●×□=●×(△+□)

×●+□×●=(△+□)×●

2a+6の場合、まず項に分けると2aと6に分かれます。
 2a=2×a
  6=2×3
したがって2が共通因数であるといえます。



@
2a+6 2×a+2×
2×(a+3)
=2(a+3)
・・・各項ごとに因数に分解する
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・2a+6は2と(a+3)の因数の積で表されることがわかった

ab−a b−a
(b−a)
=a(b−a)
・・・各項ごとに因数に分解する
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・ab−aはaと(b−a)の因数の積で表されることがわかった

ab−ab ab×a−ab×b
ab×(a−b)
=ab(a−b)
・・・各項ごとに因数に分解する
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・ab−abはabと(a−b)の因数の積で表されることがわかった

4ax+6ay =2a×2x+2a×3y
=2a×(2x+3y)
=2a(2x+3y)
・・・各項ごとに因数に分解する
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・4ax+6ayは2aと(2x+3y)の因数の積で表されることがわかった

このようにして多項式を因数の積の形で表すことを因数分解といいます。


乗法公式

乗法公式1 (x+a)(x+b) =x+(a+b)x+ab
乗法公式2 (x+a) =x+2ax+a
乗法公式3 (x−a) =x−2ax+a
乗法公式4 (x+a)(x−a) =x−a

これらの公式を暗記していなければ先へは進めません。


乗法公式1を使った因数分解

たとえば x+5x+6 の因数分解を考えてみる

乗法公式1 (x+a)(x+b)=x+(a+b)x+ab

問題と乗法公式を見比べてみると、同じ形をしていることがわかる。

問題 x+5x+6
乗法公式1 x+(a+b)x+ab=(x+a)(x+b)

xの係数(a+b)=5、数字の項ab=6であれば、問題は公式にピッタリ一致する。

たして5になり、かけて6になる2つの数a、bを探すと、
a、bが2と3のとき、たして5になり、かけて6になることがわかる。

したがって公式のaとbにそれぞれ2と3を入れれば因数分解は完成する。
x+5x+6=(x+2)(x+3)

<乗法公式1での符号の見分け方>

乗法公式1 (x+a)(x+b)=x+(a+b)x+ab において

(a+b) ab
a、bともに正のとき、
a、bの一方が正、他方が負のとき、 正または負
a、bともに負のとき、

これにより、因数分解したときのaとbの符号が判断できます。

abの部分が負であったなら、aとbには違う符合のものが入ります。
abの部分が正で、(a+b)の部分も正であったなら、aとbには正の数が入ります。
abの部分が正で、(a+b)の部分が負であったなら、aとbには負の数が入ります。



A
x+3x+2 =(x+1)(x+2)

x−5x+6 =(x−2)(x−3)

x+5x−6 =(x+6)(x−1)

x−2x−8 =(x+2)(x−4)


乗法公式2、乗法公式3を使った因数分解

<乗法公式2の例>

たとえば x+6x+9 の因数分解を考えてみる

乗法公式1に当てはめて解くこともできるが、数字の9に注目。
9は、ある数の2乗(3または−3の2乗)だから
乗法公式2または乗法公式3にあてはめて簡単に因数分解できるかもしれない。

乗法公式2 (x+a)==x+2ax+a
乗法公式3 (x−a)==x−2ax+a

問題のxの係数がプラスなので乗法公式2と見比べてみると、似たような形をしていることがわかる。

問題 x+6x+9
乗法公式2 x+2ax+a=(x+a)

xの係数は正だから、この公式にあてはめることができたならば、aには正の数が入ることがわかる
数字の項に着目すると、9は3の2乗だからa=3が予想できる。
このa=3を入れてみたときに、xの係数が一致すれば問題は公式にピッタリ一致する。

公式の2aにa=3を代入すると6になるので問題と公式のxの係数も一致する。

したがって公式のaに3を入れれば因数分解は完成する。
x+6x+9=(x+3)

<乗法公式3の例>

同様に x−4x+4 の因数分解を考えてみる

乗法公式1に当てはめて解くこともできるが、数字の4に注目。
4は、ある数の2乗(2または−2の2乗)だから
乗法公式2または乗法公式3にあてはめて簡単に因数分解できるかもしれない。

乗法公式2 (x+a)==x+2ax+a
乗法公式3 (x−a)==x−2ax+a

問題のxの係数がマイナスなので乗法公式3と見比べてみると、似たような形をしていることがわかる。

問題 x−4x+4
乗法公式3 x−2ax+a=(x−a)

数字の項に着目すると、4は2の2乗だからa=2が予想できる。(aには正の数が入る)
このa=2を入れてみたときに、xの係数が一致すれば問題は公式にピッタリ一致する。

公式の−2aにa=2を代入すると−4になるので問題と公式のxの係数も一致する。

したがって公式のaに2を入れれば因数分解は完成する。
x−4x+4=(x−2)



B
x+10x+25 =(x+5)

x−6x+9 =(x−3)


乗法公式4を使った因数分解

たとえば x−4 の因数分解を考えてみる

乗法公式4 (x+a)(x−a)=x−a

問題と乗法公式を見比べてみると、同じ形をしていることがわかる。(2乗−2乗の形)

問題 x−4
乗法公式1 x−a=(x+a)(x−a)

2乗して4になるものは2なので、公式のaに2を入れれば因数分解は完成する。
x−4=(x+2)(x−2)



C
x−16 =(x+4)(x−4)


乗法公式1を使った因数分解



D
4x+8x+3 (2x)+4×(2x)+3
A+4A+3
=(A+1)(A+3)
=(2x+1)(2x+3)
・・・4x=(2x)に注目
・・・2x=Aに置き換える
・・・因数分解
・・・Aを(2x)にもどす


乗法公式2、乗法公式3を使った因数分解



E
4x−12x+9 (2x)−6×(2x)+9
A−6A+9
=(A−3)
=(2x−3)
・・・4x=(2x)に注目
・・・2x=Aに置き換える
・・・因数分解
・・・Aを(2x)にもどす

x+3x+
={x+3x+(
・・・ =( に注目
={x+2×( )x+(
=(x+


乗法公式4を使った因数分解



F
−x+9 =9−x
=(3+x)(3−x)
・・・公式を使いやすいように、たし算の順序を変える
 

4x−1 (2x)−1
A−1
=(A+1)(A−1)
=(2x+1)(2x−1)
・・・4x=(2x)であることに着目
・・・2x=Aとおく
・・・因数分解
・・・Aを2xにもどす

x−1 (x−1
A−1
=(A+1)(A−1)
=(x+1)x−1)
=(x+1)(x+1)(x−1)
・・・x=(xであることに着目
・・・x=Aとおく
・・・因数分解
・・・Aをxにもどす
・・・さらに因数分解ができる




G
2x−8 =2(x−4)
=2(x+2)(x−2)
・・・まずは共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・乗法公式で因数分解を進める

−x+2x−1 =−(x−2x+1)
=−(x−1)
・・・最初に全体をマイナスかっこでくくる
 

(x+1)+4(x+1)+3 A+4A+3
=(A+1)(A+3)
=(x+1+1)(x+1+3)
=(x+2)(x+4)
・・・(x+1)をAとおく
・・・因数分解
・・・Aに(x+1)をもどす
・・・かっこの中で計算できるものは計算する

x+2x+1−y =(x+2x+1)−y
(x+1)−y
A−y
=(A+y)(A−y)
={(x+1)+y}{(x+1)−y}
=(x+1+y)(x+1−y)
・・・最初に因数分解する場所を決める
・・・部分的に因数分解
・・・x+1=Aとおく
・・・因数分解を続ける
・・・Aにx+1をもどす(必ずかっこをつけて)
・・・代入の時に使ったかっこをはずす

x−y+2y−1 =x−(y−2y+1)
=x(y−1)
=xA
=(x+A)(x−A
={x+(y−1)}{x−(y−1)
=(x+y−1)(x−y+1)
・・・最初に因数分解する場所を決める
・・・部分的に因数分解
・・・y−1=Aとおく
・・・因数分解を続ける
・・・Aにy−1をもどす(必ずかっこをつけて)
・・・代入の時に使ったかっこをはずす

x+xy+y+1 =(x+xy)+y+1
=x(1+y)+(y+1)
=x(y+1)+(y+1
=xAA
A(x+1)
(y+1)(x+1)
・・・最初に因数分解する場所を決める
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・次の因数分解がしやすいように順番を変える
・・・y+1=Aとおく
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・Aにy+1をもどす(必ずかっこをつけて)

x+xy+y−1 =(xy+y)+(x−1)
=y(x+1)(x+1)(x−1)
=yAA(x−1)
A{y+(x−1)}
A(y+x−1)
(x+1)(y+x−1)
・・・一番次数の小さい文字(この場合はy)を含む項をまとめる
・・・因数分解を進める
・・・x+1=Aとおく
・・・共通因数を外に出し、かっこでくくる
・・・不要になったかっこをはずす
・・・Aにx+1をもどす(必ずかっこをつけて)


因数分解を利用した計算



H
51−49 =(51+49)(51−49)
=100×2
=200
・・・因数分解する
 
 


証明問題

連続した2つの偶数の積に1を加えたものは奇数の2乗になることを証明

連続した2つの偶数は 2x と 2x+2 で表すことができる。(xは整数)

2x×(2x+2)+1 =4x+4x+1
=(2x+1)
・・・分配法則を使って計算
・・・因数分解

したがって、連続した2つの偶数の積に1を加えたものは奇数の2乗になる


発展問題



I
(x+1)(x+2)(x−3)(x−4) =(x+1)(x−3)(x+2)(x−4)−36
=(x−2x−3)(x−2x−8)−36
=(A−3)(A−8)−36
=A−11A−24−36
=A−11A−60
=(A+5)(A−12)
=(x−2x−5)(x−2x−12)
・・・順番を入れ替えます
・・・部分的に展開します
・・・(x−2x)をAとおく
・・・展開する
・・・計算する
・・・因数分解する
・・・Aにx−2xをもどす





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