連立方程式の加減法
2つの式を足したり引いたりして、xまたはyの片方を消し、解く方法を加減法(かげんほう)といいます。
|
|
例
@ |
{ |
5x+2y=21 |
・・・@ |
|
5x+2y=21 |
|
x=3を@の式に代入 |
|
3x+2y=14 |
・・・A |
−)3x+2y=14 |
5×3+2y
15+2y
2y
y |
=21
=21
=6
=3 |
したがって |
|
2x = 6
x = 3 |
{ |
x=3 |
y=3 |
|
・・・yの項の係数が同じため、
式同士をひくとyの項が消えます |
|
{ |
3x+4y=29 |
・・・@ |
|
3x+4y=29 |
|
y=5を@の式に代入 |
|
3x+2y=19 |
・・・A |
−)3x+2y=19 |
3x+4×5
3x+20
3x
x |
=29
=29
=9
=3 |
したがって |
|
2y=10
y= 5 |
{ |
x=3 |
y=5 |
|
・・・xの項の係数が同じため、
式同士をひくとxの項が消えます |
|
{ |
5x+2y=24 |
・・・@ |
|
5x+2y=24 |
|
x=4を@の式に代入 |
|
3x−2y= 8 |
・・・A |
+)3x−2y= 8 |
5×4+2y
20+2y
2y
y |
=24
=24
=4
=2 |
したがって |
|
8x =32
x = 4 |
{ |
x=4 |
y=2 |
|
・・・yの項の係数の絶対値が同じで、
符号が反対のため、
式同士をたすとyの項が消えます |
|
2つの式は、そのまま足したり引いたりしても、xやyが消えない場合もあります。
それぞれの式を●倍することによって、xやyが消えるようにします。
|
|
例
A |
{ |
4x+3y=11 |
・・・@ ×1すると |
{ |
4x+3y=11 |
|
4x+3y=11 |
|
y=1をAの式に代入 |
|
x+2y= 4 |
・・・A ×4すると |
4x+8y=16 |
−)4x+8y=16 |
x+2×1 x+2
x |
=4
=4
=2 |
したがって |
|
|
|
−5y=−5
y= 1 |
{ |
x=2 |
y=1 |
|
|
{ |
3x+4y=−3 |
・・・@ ×2すると |
{ |
6x+8y=−6 |
|
6x+8y=−6 |
|
y=12を@の式に代入 |
|
2x+3y= 2 |
・・・A ×3すると |
6x+9y= 6 |
−)6x+9y= 6 |
3x+4×12
3x+48
3x
x |
=−3
=−3
=−51
=−17 |
したがって |
|
|
|
−y=−12
y= 12 |
{ |
x=−17 |
y=12 |
|
|
連立方程式の代入法
片方の式を●=△+□の形にして、もうひとつの式の●の部分に式ごと代入する方法を代入法(だいにゅうほう)といいます。
代入法で式を代入するとき、必ずかっこをつけて代入します。
例
B |
{ |
y=5x+3・・・@ |
y=3x−5・・・A |
@の式はy=5x+3なので、Aの式のyの部分に(3x−5)をそのまま代入します。
y
(5x+3)
5x−3x
2x
x |
=3x−5
=3x−5
=−5−3
=−8
=−4 |
x=−4を@に代入する |
y
y y |
=5×(−4)+3
=−20+3
=−17 |
したがって{ |
x=−4 |
y=−17 |
例
C |
{ |
3y=7x+2・・・@ |
3y=10x−1・・・A |
@の式は3y=7x+2なので、Aの式の3yの部分に(7x+2)をそのまま代入します。
3y
(7x+2)
7x−10x
−3x
x |
=10x−1
=10x−1
=−1−2
=−3
=1 |
x=1を@に代入する |
3y
3y
3y y |
=7×1+2
=7+2
=9
=3 |
したがって{ |
x=1 |
y=3 |
例
D |
{ |
y=2x+1 ・・・@ |
3x−2y=−4・・・A |
@の式はy=2x+1なので、Aの式のyの部分に(2x+1)をそのまま代入します。
3x+2y
3x−2(2x+1)
3x−4x−2
3x−4x
−x
x |
=−4
=−4
=−4
=−4+2
=−2
=2 |
x=2を@に代入する |
y
y y |
=2×2+1
=4+1
=5 |
したがって{ |
x=2 |
y=5 |
|
|
例
E |
{ |
0.3x+0.4y=2 ・・・@ |
×10して少数をなくす |
{ |
3x+4y=20 |
・・・×2すると |
{ |
6x+8y=40 |
0.2x−0.6y=−0.4・・・A |
×10して少数をなくす |
2x−6y=−4 |
・・・×3すると |
6x−18y=−12 |
|
あとは加減法により解くだけ |
{ |
x=4 |
y=2 |
|
|
{ |
|
×6して分数をなくす |
3x+3−2y+2=12
3x−2y=7 |
・・・×3すると |
9x−6y=21 |
|
×12して分数をなくす |
2x+3y=9 |
・・・×2すると |
4x+6y=18 |
|
あとは加減法により解くだけ |
{ |
x=3 |
y=1 |
|
|
●=△=□ の連立方程式
●、△、□が全て等しいということなので、 ●=△、●=□、△=□の3つの等式で表すことができる。
この3つの等式のうち2つを自由に選べば連立方程式が完成する
3x+2y=5+3y=2x+11の場合
{ |
3x+2y=5+3y・・・@ |
計算して式を簡単にすると |
{ |
3x−y=5 |
・・・×3すると |
{ |
9x−3y=15 |
5+3y=2x+11・・・A |
−2x+3y=6 |
・・・×1すると |
−2x+3y=6 |
|
あとは加減法により解くだけ |
{ |
x=3 |
y=4 |
文章題@
ノート2冊とボールペン3本のセットは440円
ノート5冊とボールペン4本のセットは820円
ノート1冊の値段とボールペン1本の値段を求める |
ノートの値段をx円、ボールペンの値段をy円とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
わかりにくければ、わかりやすいように文章を書き換えます。
文章を書き換えたら、その文章にあてはまるものをそのまま下に書いていきます。
|
・ノート2冊の値段 |
+ |
ボールペン3本の値段 |
= |
440円 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
2x |
+ |
3y |
= |
440 |
|
|
・ノート5冊の値段 |
+ |
ボールペン4本の値段 |
= |
820円 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
5x |
+ |
4y |
= |
820 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
2x+3y=440 |
これを解くと |
{ |
x=100 |
5x+4y=820 |
y=80 |
答え:ノート100円、ボールペン80円 ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題A
1本120円の缶ジュースと1本140円のペットボトルを合わせて10本買った。
合計金額が1280円だったとき、それぞれ何本買ったか求める。(消費税は考えない) |
缶ジュースの本数をx本、ペットボトルの本数をy本とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
|
・缶ジュースの本数 |
+ |
ペットボトルの本数 |
= |
10本 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
10 |
|
|
・缶ジュースの合計金額 |
+ |
ペットボトルの合計金額 |
= |
1280円 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
120x |
+ |
140y |
= |
1280 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x+y=10 |
これを解くと |
{ |
x=6 |
120x+140y=1280 |
y=4 |
答え:缶ジュース6本、ペットボトル4本 ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題B
4%の食塩水と10%の食塩水を混ぜて6%の食塩水を300g作る。
このときに混ぜたそれぞれの食塩水の量を求める。 |
4%の食塩水の量をx(g)、10%の食塩水の量をy(g)とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
まず表を書きます
|
食塩水 |
濃度 |
食塩 |
混ぜるもの |
4%の食塩水 |
|
|
|
10%の食塩水 |
|
|
|
できあがるもの |
6%の食塩水 |
|
|
|
問題文からわかることを書き入れます
|
食塩水 |
濃度 |
食塩 |
混ぜるもの |
4%の食塩水 |
x |
0.04 |
|
10%の食塩水 |
y |
0.1 |
|
できあがるもの |
6%の食塩水 |
300 |
0.06 |
|
食塩=(食塩水の量)×(濃度)
|
食塩水 |
濃度 |
食塩 |
混ぜるもの |
4%の食塩水 |
x |
0.04 |
0.04x |
10%の食塩水 |
y |
0.1 |
0.1y |
できあがるもの |
6%の食塩水 |
300 |
0.06 |
18 |
食塩水の量と食塩の量を使ってそれぞれ式を作ります
|
・4%の食塩水の量 |
+ |
10%の食塩水の量 |
= |
6%の食塩水の量 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
300 |
|
|
・4%の食塩水の食塩の量 |
+ |
10%の食塩水の食塩の量 |
= |
6%の食塩水の食塩の量 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
0.04x |
+ |
0.1y |
= |
18 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x+y=300 |
これを解くと |
{ |
x=200 |
0.04x+0.1y=18 |
y=100 |
答え:4%の食塩水200g、10%の食塩水100g ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題C
あるクラス50人で、男子の平均身長は164cm、
女子の平均身長は男子の平均よりも10cm低く、男女全体の平均身長は160cm。
このときの男子と女子それぞれの人数を求める。 |
男子の人数をx人、女子の人数をy人とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
男子の方が10cm高いのだから、女子=男子−10
したがって164−10=154(cm)
まず表を書きます
平均×人数=合計
|
平均身長 |
人数 |
身長の合計 |
たすもの |
男子 |
164 |
x |
164x |
女子 |
154 |
y |
154y |
合計 |
全体 |
160 |
50 |
8000 |
人数と身長の合計を使って、それぞれ式を作ります
|
・男子の人数 |
+ |
女子の人数 |
= |
50人 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
50 |
|
|
・男子の身長の合計 |
+ |
女子の身長の合計 |
= |
全体の身長の合計 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
164x |
+ |
154y |
= |
8000 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x+y=50 |
これを解くと |
{ |
x=30 |
164x+154y=8000 |
y=20 |
答え:男子30人、女子20人 ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題D
1本120円の缶ジュースと1本140円のペットボトルを数個ずつ買った。
買った個数は缶ジュースの方がペットボトルよりも2本多かった
合計金額が1280円だったとき、それぞれ何本買ったか求める。(消費税は考えない) |
缶ジュースの本数をx本、ペットボトルの本数をy本とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
|
・缶ジュースの本数 |
は |
ペットボトルの本数 |
より2本多い |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
= |
y |
+2 |
|
|
・缶ジュースの合計金額 |
+ |
ペットボトルの合計金額 |
= |
1280円 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
120x |
+ |
140y |
= |
1280 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x=y−2 |
これを解くと |
{ |
x=6 |
120x+140y=1280 |
y=4 |
答え:缶ジュース6本、ペットボトル4本 ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題E
アメを生徒全員に3個ずつ配ると10個あまり、4個ずつ配ると5個足りなくなる。
生徒の人数とアメの個数を求める。 |
生徒の人数をx人、アメの個数をy個とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
|
・3個ずつ配ったもの |
は |
アメの個数 |
より10個少ない |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
3x |
= |
y |
−10 |
|
|
・4個ずつ配ったもの |
は |
アメの個数 |
より5個多い |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
4x |
= |
y |
+5 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
3x=y−10 |
これを解くと |
{ |
x=15 |
4x=y+5 |
y=55 |
答え:生徒15人、アメ55個 ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題F
230kmはなれた街に行くのに、途中から高速道路を利用した。
高速道路では時速90km、一般道路では時速50kmで走って、
全体で3時間かかった。
このとき走った高速道路と一般道路の距離を求める。 |
一般道路の距離をx(km)、高速道路の距離をy(km)とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
まず表を書きます
問題文から分かることをメモします
|
速さ |
時間 |
距離 |
一般道路 |
時速50km |
|
x |
高速道路 |
時速90km |
|
y |
全体 |
−−− |
3 |
230 |
時間=距離÷速さ
|
速さ |
時間 |
距離 |
一般道路 |
時速50km |
|
x |
高速道路 |
時速90km |
|
y |
全体 |
−−− |
3 |
230 |
時間と距離を使ってそれぞれ式を作ります
|
・一般道路の距離 |
+ |
高速道路の距離 |
= |
230km |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
230 |
|
|
・一般道路の時間 |
+ |
高速道路の時間 |
= |
3時間 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
3 |
|
|
50 |
90 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x+y=230 |
これを解くと |
{ |
x=50 |
|
y=180 |
答え:一般道路50km、高速道路180km ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題G
今年の生徒の人数は423人で、
去年と比べて男子は7%増え、女子は5%減って全体では3人増えている。
今年の男子と女子の人数をそれぞれ求める。 |
去年の男子の人数をx人、去年の女子の人数をy人とする・・・これを書かないとテストでは×、または減点になります。
※ 注意
去年の人数をもとにして今年の人数を表しているため、去年の人数をx、yとします
今年の人数をx、yとすることもできますが、この場合、立式・計算ともに数倍難しくなります
まず表を作ります
|
去年の人数 |
割合 |
今年の人数 |
男子 |
x |
1.07 |
1.07x |
女子 |
y |
0.95 |
0.95y |
合計 |
420 |
|
423 |
去年の人数と今年の人数からそれぞれ式を作ります
|
・去年の男子の人数 |
+ |
去年の女子の人数 |
= |
去年の全体の人数 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
420 |
|
|
・今年の男子の人数 |
+ |
今年の女子の人数 |
= |
今年の全体の人数 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
1.07x |
+ |
0.95y |
= |
423 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x+y=420 |
これを解くと |
{ |
x=200 |
1.07x+0.95y=423 |
y=220 |
まだ終わりではありません
xとyは、去年の男子と女子の人数なので、これをもとに今年の男子と女子の人数を求めます
今年の男子=去年の男子×1.07=200×1.07=214
今年の女子=去年の女子×0.95=220×0.95=209
答え:男子214人、女子209人 ・・・答えを書き忘れると、当然×になります。(単位忘れにも注意)
文章題H
2桁の整数がある。
十の位と一の位の数の和は13で、
十の位と一の位の数字を入れかえた数は、もとの数よりも27大きい。
このときの、もとの整数を求める。 |
2桁の整数の十の位をx、一の位をyとおく
もとの数 |
十の位のxと、一の位のyを入れかえる
→→→→→→→→→→ |
入れかえた数 |
十の位 |
一の位 |
十の位 |
一の位 |
x |
y |
y |
x |
もとの数を式であらわす
十の位・・・x |
10がx個あるから・・・10×x |
したがって、もとの数は
10x+y
で、表すことができる |
一の位・・・y |
1がy個あるから・・・1×y |
入れかえた数を式であらわす
十の位・・・y |
10がy個あるから・・・10×y |
したがって、入れかえた数は
10y+x
で、表すことができる |
一の位・・・x |
1がx個あるから・・・1×x |
これを使って式を作ります
|
・十の位の数 |
+ |
一の位の数 |
= |
13 |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
x |
+ |
y |
= |
13 |
|
|
・入れかえた数 |
は |
もとの数 |
よりも27大きい |
↓ |
↓ |
↓ |
↓ |
10y+x |
= |
10x+y
|
+27 |
|
|
したがって連立方程式を作ると
{ |
x+y=13 |
これを解くと |
{ |
x=5 |
10y+x=10x+y+27 |
y=8 |
答え:58 ・・・答え方に注意。答えを書き忘れると、当然×になります。
|