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勉強内容の解説・ガイド

正負の数 <中学校数学>


正負の数

0より小さいものを表すとき、0よりどれだけ小さいかを「−」の符号をつけて−1、−2などのように表します。
「−」の符号はマイナスと読みます。


絶対値

0よりどれだけ大きいか、または小さいかを絶対値といいます。
0からどれだけ離れているかを表すため、絶対値は0からの距離と解説されています。

例えば(−3)の絶対値は3です。


正負の数の加減の基礎

+3
−3
−3 マイナスの方向に
3進んだのと同じ
したがって
−(+3)=+(−3)
ひき算をたし算にすることができる
+3
プラスの方向に
3進んだのと同じ
したがって
−(−3)=+(+3)
ひき算をたし算にすることができる

正負の数の加法(たし算)

<符号の同じ2つの数の加法> ・・・ (+●)+(+○) または (−●)+(−○)

(+●)+(+○) 最初に「+」が省略されていると考えて +(+●)+(+○)
 プラスの方向に●だけ進んで、プラスの方向に○だけ進む。
 したがってプラスの方向に(●+○)進んだことになる。
(+●)+(+○)=+(●+○)

(−●)+(−○) 最初に「+」が省略されていると考えて +(−●)+(−○)
 マイナスの方向に●だけ進んで、マイナスの方向に○だけ進む。
 したがってマイナスの方向に(●+○)進んだことになる。
(−●)+(−○)=−(●+○)



@
(+2)+(+3) =+(2+3)
=5

(−5)+(−4) =−(5+4)
=−9

符号の同じ2つの数の和は、
もとの数の符号をつけてから
絶対値の和を書けばよい

<符号の異なる2つの数の加法> ・・・ (+●)+(−○) または (−●)+(+○)

プラスの方向に●だけ進んで、マイナスの方向に○だけ進む。
マイナスの方向に●だけ進んで、プラスの方向に○だけ進む。

最初に大きくプラスの方向に●だけ進む。
次に逆方向に○だけ進む。

大きく進んだほうの符合をつけ、数字部分には進んだ距離の差を入れる。

(+4)+(−3) =+(4−3)
=1

最初に大きくマイナスの方向に●だけ進む。
次に逆方向に○だけ進む。

大きく進んだほうの符合をつけ、数字部分には進んだ距離の差を入れる。

(−4)+(+2) =−(4−2)
=−2

最初に小さく進み、逆方向に0をまたいで大きく進む計算は、
慣れないうちは間違えやすいので・・・
(+3)+(−5)=(−5)+(+3) または 
(−3)+(+5)=(+5)+(−3) のように、
たし算の順番を変えて考えればよい。

(+2)+(−3) =(−3)+(+2)
=−(3−2)
=−1

(−1)+(+4) =(+4)+(−1)
=+(4−1)
=3

※注意 たし算は順番を変えることができる

符号の異なる2つの数の和は、
絶対値の大きな方の符号をつけてから
絶対値の差を書けばよい

正負の数の減法(ひき算)

ひき算は必ずたし算に直してから計算します。



A
(−5)−(+3) =(−5)+(−3)
=−(5+3)
=−8

(−5)−(−3) =(−5)+(+3)
=−(5−3)
=−2


項の数が多いたし算・ひき算

まず、ひき算をたし算に直します。
次に、左から順番に計算します。 ・・・(たし算に直さなかった場合、順番どおりに計算しないと答えが違ってきます)



B
T
(−2)−(−3)+(−3)−(+5)+(+4) (−2)+(+3)+(−3)+(−5)+(+4)
(+1)+(−3)+(−5)+(+4)
(−2)+(−5)+(+4)
=(−7)+(+4)
=−3

ひき算をたし算に直した後、プラスのものとマイナスのものを分けて計算すると簡単にできます。



B
U
(−2)−(−3)+(−3)−(+5)+(+4) =(−2)+(+3)+(−3)+(−5)+(+4)
(−2)+(−3)+(−5)(+3)+(+4)
=−(2+3+5)+(3+4)
=(−10)+(+7)
=−3
・・・ まずは、たし算に直す
・・・ 同じ符号のものごとに分ける
・・・ 同じ符号のもの同士計算
 
 


かっこをはずす

最初にたし算に直してから、かっこの外にある+と、かっこを消すだけ。



C
(−2)+(+3)+(−4)−(+5)−(−6) =(−2)+(+3)+(−4)+(−5)+(+6)
=−2+3−4−5+6

実際に計算するときは「かっこ」があると思って計算します。


(−2)+(+3)−(+3)+(−5)−(−4) =(−2)+(+3)+(−3)+(−5)+(+4)
=−2+3−3−5+4
=−2−3−5+3+4
=−(2+3+5)+(3+4)
=−10+7
=−3


正負の数の乗法(かけ算)

分速30mで進んだとき、10分後、10分前それぞれどこの位置にいるか。

 10分後(+10分) : (+300m/分)×(+10分)=+300m ・・・ プラス×プラス=プラス
 10分前(−10分) : (+300m/分)×(−10分)=−300m ・・・ プラス×マイナス=マイナス

分速30mで戻ったとき、10分後、10分前それぞれどこの位置にいるか。

 10分後(+10分) : (−300m/分)×(+10分)=−300m ・・・ マイナス×プラス=マイナス
 10分前(−10分) : (−300m/分)×(−10分)=+300m ・・・ マイナス×マイナス=プラス

このことから、かけ合わせる2つの数の符号によって答えの符号が決まることがわかります。

同符号の積はプラス
異符号の積はマイナス


D
(−2)×(+3) =−(2×3)
=−6

(+4)×(−2) =−(4×2)
=−8

(−3)×(−5) =+(3×5)
=15


逆数

かけて1になる数を、もとの数の逆数といいます。

2× =1 したがって、2の逆数は になります。
× =1 したがって、 の逆数は になります。
(−3)×(− )=1 したがって、−3の逆数は− になります。
2等分することは 倍することと同じです。 したがって、÷2=× と同じことになります。
同様に÷ =× 、また、÷(−3)=×(− )と同じことになります。
ある数でわることは
その数の逆数をかけることと同じ

正負の数の除法(わり算)

除法の場合、逆数の考え方を使って、かけ算に直してから計算します。



E
(−8)÷(+3) =(−8)×(+
=−(8×
=−

(−12)÷(−3) =(−12)×(−
=+(12×
=4

(+4)÷(− =(+4)×(−
=−(4×
=−6


累乗

累乗(るいじょう)はそのものを何回かけ合わせるかを表しています。
右上につけられる数字によって2乗、3乗などといいます。
2乗のことを平方(へいほう)、3乗のことを立方(りっぽう)といいます。
下記の2種類が出てくるので区別できるように。

タイプ1 (−●) の場合 ・・・ かっこの中身が何回かけ合わされたかを表します。

(−2)を2回かけ合わせる ・・・ (−2)=(−2)×(−2)=4
(−2)を3回かけ合わせる ・・・ (−2)=(−2)×(−2)×(−2)=−8

タイプ2 −● の場合 ・・・ 直前の数字だけ何回かけ合わされたかを表します。

−2=−(2×2)=−4
−2=−(2×2×2)=−8

ちょっと書き換えると
 −2=(−1)×2=−4
 −2=(−1)×2=−8
という意味になります。

(−●)と−●の違いに注意

項の数が多いかけ算

(−2)=(−1)×2 、また、(+2)=2

実際に(−1)×2を計算してみると(−2)になることがわかるはず。
このことを使って、式に出てくる(−●)を(−1)×●に直すことができる。



F
(−2)×(+3)×(−3)×(+5)

(−1)×2×3×(−1)×3×5
=(−1)×(−1)×2×3×3×5 ・・・ かけ算はならびかえができるから

<ここで、(−1)の部分と、それ以外の部分で分けて考える>

=(+1)×90
=90


上の例で2×3×3×5=90 ・・・ これはもとの数のそれぞれの絶対値の積

ここで(−1)×(−1)の部分は何を表しているか。

(−1)を2回かけ合わせたとき (−1)×(−1)=1
(−1)を3回かけ合わせたとき (−1)×(−1)×(−1)=−1
(−1)を4回かけ合わせたとき (−1)×(−1)×(−1)×(−1)=1
・・・プラス
・・・マイナス
・・・プラス

実際に計算して確かめてみましょう。

(−1)を5回以上かけ合わせたときも同様に計算して表にしてみると、

(−1)をかけ合わせた数
1個かけ合わせた マイナス
2個かけ合わせた プラス
3個かけ合わせた マイナス
4個かけ合わせた プラス
5個かけ合わせた マイナス
6個かけ合わせた プラス
7個かけ合わせた マイナス

(−1)を何回かけ合わせたかによって符号が決まります。

したがって、先ほどの例の(−1)×(−1)の部分で答えの符号が決められていたことがわかります。
この場合2回だったので、答えはマイナスになることがわかります。

式の中でマイナスが奇数回かけ合わされれば答えはマイナス
偶数回かけ合わされれば答えはプラス

<注意> 奇数・偶数って覚えてますか?
 奇数は1,3,5,7など(2でわると1余る数)
 偶数は2,4,6,8など(2でわりきれる数)

項の数が多いかけ算の場合、
マイナスの項の数で判断される符号をつけてから
各項の絶対値の積を書けばよい


G
(−2)×(+3)×(−2)×(−4)

=(−1)×2×3×(−1)×2×(−1)×4
=(−1)×(−1)×(−1)×2×3×2×4
=(−1)×48
=−48

 
・・・ かけ算はならびかえができるから
・・・ (−1)が3個だから
 


乗法と除法が混じった計算

除法の場合、わり算はかけ算に直してから計算することが出来る為、
答えの符号の決め方は乗法とまったく同じです。

必ず一度かけ算に直してから計算しましょう。


四則混合算

かけ算・わり算を先に、たし算・ひき算を後に計算します。



H
T
(−2)+(+3)×(−4)−(+5) =(−2)+(−12)−(+5)
=(−2)+(−12)+(−5)
=−(2+12+5)
=−19
・・・まずはかけ算から先に計算
・・・ひき算をたし算に直す
 
 

累乗は、かけ算・わり算よりも先に計算します。



H
U
(−1)+(−3)×(−2)−(−4) =(−1)+(−3)×(+4)−(−4)
=(−1)+(−12)−(−4)
=(−1)+(−12)+(+4)
=−(1+12)+(+4)
=(−13)+(+4)
=−9
・・・累乗が最優先
・・・かけ算から先に計算
・・・ひき算をたし算に直す
 
 
 



H
V
(−3)−(−2)+(−4) =(−3)−(+4)+(−4)
=(−3)+(−4)+(−4)
=−(3+4+4)
=−11
・・・累乗が最優先
・・・ひき算をたし算に直す
 
 



H
W
5−×3−1+4 =5−×3−1+4
=5−12−1+4
=5+4−12−1
=9−13
=−4
・・・累乗が最優先
・・・かけ算から先に計算
・・・ プラスのものとマイナスのものを分ける
 
 

かっこのある場合、かっこの中だけ先に、四則混合計算の手順にしたがって計算します。
{}は中かっこといいます。



H
X
(−3)×{(−5)+(+4)÷(−2)}+(−7) =(−3)×{(−5)+(−2)}+(−7)

=(−3)×{(−7)}+(−7) 
=(−3)×(−7)+(−7)
=(+21)+(−7)
=14
・・・中かっこの中を四則混合計算の
   手順にしたがって計算
・・・中かっこの中身の計算が終了
・・・中かっこを消す
・・・四則混合計算の手順に
   したがって計算 



H
Y
−3+(−2×3−)÷2 =−3+(−2×3)÷2
=−3+(−6−8)÷2
=−3+(−14)÷2
=−3−14÷2
=−9−14÷2
=−9−7
=−16
・・・かっこの中を四則混合計算の
   手順にしたがって計算
・・・かっこの中身の計算が終了
・・・かっこを消す
・・・四則混合計算の手順にしたがって計算
 
 


正負の数を使った実際の例

ゴルフのスコアを計算する時

ゴルフでは、ひとつのホールごとに基準となる打数が決められています。
3打でボールがカップに入ることが基準になっている場合、パー3、
4打でボールがカップに入ることが基準になっている場合、パー4などのように書かれています。
それをもとにして、基準になっている打数でボールがカップに入った場合、スコアは0
基準になっている打数よりも1打多くかかってしまった場合、スコアは+1
基準になっている打数よりも2打多くかかってしまった場合、スコアは+2
基準になっている打数よりも1打少なくてボールがカップに入った場合、スコアは−1
つまり、スコアは全て正負の数で表され、マイナスになるほど成績が良いということになります。
これらのスコアをつけていき、最後に正負の数のたし算をして合計の成績をつけます。

1ホール 2ホール 3ホール 4ホール 5ホール 6ホール 7ホール 8ホール 9ホール 合計スコア
Aさん +1 −1 −1 +1 +1 +1
Bさん −1 −1 +2 +1 −1

正負の数のたし算によって、Bさんの方が合計スコアが良い(打数が少ない)ことがわかりました


正負の数を使った便利な計算(合計)

買い物で98円のノート6冊と、105円のペンを2本買った場合の合計金額

2種類の品物の値段は98円と105円なので、その間にある数字で計算しやすそうな数字は・・・100

100円を基準に考えて、ノート6冊とペン2本で合計8個の品物を買ったから、
100円×8個=800円
合計金額は800円くらいになると予想できる(基準の数字の合計)

100円を基準にしてそれぞれの品物の値段を正負の数を使って表してみると
ノートは基準の100円より2円安いから(−2)
ペンは基準の100円より5円高いから(+5)

2円安いものを6個と、5円高いものを2個買ったから
  (−2)×6+(+5)×2
=(−12)+(+10)
=−2
これによって、実際の合計は、基準の数字の合計よりも2小さいことがわかる

したがって、基準にした合計金額800円から(−2)して
800+(−2)=798
合計金額は798円になる


正負の数を使った便利な計算(平均)

5人の平均を求める

A B C D E
170 165 174 172 164

普通の計算のやり方では ・・・ 
(170+165+174+172+164)=845 ・・・ 全員の合計を計算する(計算が大変)
845÷5=169 ・・・ 最後に合計を人数でわって平均を出す

<正負の数を使ったやり方>

Aの170を基準にして、B、C、D、Eが基準の値よりどれだけ大きいか小さいかを正負の数で表してみると、
 Bは基準の170よりも5小さいから(−5)と表せる。
 Cは基準の170よりも4大きいから(+4)と表せる。
 Dは基準の170よりも2大きいから(+2)と表せる。
 Eは基準の170よりも6小さいから(−6)と表せる。

A B C D E
もともとの数 170 165 174 172 164
Aを基準にすると −5 +4 +2 −6

まず、正負の数で表したものの合計を計算する
  0+(−5)+(+4)+(+2)+(−6)
=(−5)+(−6)+(+4)+(+2)
=(−11)+(+6)
=−5
 これによって、実際の合計は、基準の数字の合計よりも5小さいことがわかる

それを人数でわる(平均をだす)
−5÷5=−1
 これによって、基準の値よりどれだけ大きいか小さいかを表したものの平均は、基準の値よりも1小さいことがわかる

基準にした数にその数をたす
  170+(−1)
=170−1
=169 ・・・ これで平均が求められた(正負の数に慣れれば計算は簡単)

<この方法で平均を求めることができる理由>
  (170+165+174+172+164)÷5 ・・・ 通常の計算式
={170+(170−5)+(170+4)+(170+2)+(170−6)}÷5
={(+170)+(+170)+(−5)+(+170)+(+4)+(+170)+(+2)+(+170)+(−6)}÷5
={(+170)+(+170)+(+170)+(+170)+(+170)+(−5)+(+4)+(+2)+(−6)}÷5
={170×5+(−5)+(+4)+(+2)+(−6)}÷5
=170×5÷5+{(−5)+(+4)+(+2)+(−6)}÷5
=170+{(−5)+(+4)+(+2)+(−6)}÷5
=(基準にした数)+(それをもとに正負の数で表したものの平均)





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