男の子と女の子の成長の違い
小学校高学年、中学校くらいの年齢で、同じ学年の男の子と女の子をくらべてみましょう。小学生では、同じ学年でも、女の子の方がお姉さんで、男の子は幼いという印象を受けます。
中学生になってからも、男の子の方はまだ幼さが残っている印象を受けます。
コミュニケーション力も女の子の方が発達しています。
先生に聞かれたことなどに対して、女の子の方がしっかりと受け答えできます。
また、男の子が将来の夢は野球選手などのように言っている一方で、
女の子は非常に現実的な将来を考えています。
明らかに女の子のほうが精神的に大人で、
男の子がしっかりしてくるのは中学校3年生くらいからではないでしょうか。
男の子と女の子の「やる気」の源の違い
テレビ番組などで目にする、一般的にコレクター、マニアと言われている人、何か興味を持ったことに没頭してしまう人の大多数は男性です。
これは子供でも同じような傾向があります。
何か興味を持ったことに没頭してしまうのは、ほとんどが男の子です。
実際に「子供が勉強に支障が出るほどゲームに熱中してしまう」などの保護者の方から相談は
男の子のお子様ばかりで、女の子では、このような相談はほとんどありません。
男の子は、興味を持てば夢中になって取り組むのです。
つまり、男の子に「やる気」を出させるためには、「興味を持たせること」が最も効果的です。
得意科目を中心に勉強することも、「やる気」を出させるためには良いでしょう。
一方、女の子は現実的で、進学目標などがそのまま「やる気」に結びつきやすい傾向にあります。
男の子が進学目標を決めても、その目標をなかなか現実的にとらえられないのに対し、
女の子は目標を現実的に受け止めることができるのです。
そして、目標に向かって着々と勉強を進めることができます。
友人の講師の話では、女の子の生徒さんに志望校の入試問題の出題傾向を教えてあげたところ、
今まであまり「やる気」がなかった生徒が急に「やる気」になり、
自分から勉強するようになったという例もあるそうです。
つまり、女の子に「やる気」を出させるためには、
「目標を持たせ、目標をより現実的に感じさせてあげること」が最も効果的です。
男の子と女の子の算数・数学への取り組ませ方
男の子は、簡単な計算問題を長くやると飽きてしまい、「やる気」が下がってしまう傾向があります。このようなとき、図形の問題を解かせてみたり、難しい問題を解かせてみることが効果的です。
男の子は難しい問題にゲーム感覚で挑戦し、それが解けたことによって達成感を得るのです。
これは良いことなのですが、そのぶん基礎がおろそかになってしまうこともあります。
男の子は基礎的な問題集に、応用問題集などを併用してみる方法が効果的です。
しかし基礎は非常に重要ですので、しっかりと押さえてください。
やる気を出させるために、少しの応用問題を混ぜてあげるのです。
もちろん、基礎がしっかりとできたのであれば、様々な応用問題にチャレンジするのもいいでしょう。
これに対して女の子は、自分の力では解けないだろうと判断すると、あきらめる傾向にあります。
がんばって取り組んでみれば、きっと解くことができるのでしょうが・・・
女の子は実力にあった問題集を着々と進め、しっかりと基礎を固めていく方法が効果的でしょう。
以前、僕が勤務している学習塾で、小学校5年生の生徒に宿題を出したときのことです。
4年生の復習を宿題に出したつもりで、「テキストの71ページ」と言ったのですが、
「4年生のテキストの」と言い忘れてしまったことがありました。
当然、子供たちは自分の今の学年、つまり5年生のテキストだと思っています。
5年生のテキストの71ページ・・・
子供たちはまだ学習していない単元、しかも小学生で特に難しい「割合」でした。
女の子の生徒は「解けなかった」・・・当然ですね。
しかし、ある男の子の生徒は「お父さんに聞いて解いてきた」と言うのです。
お姉さんに聞いて解いてきた男の子もいました。
そして、もっと「割合」の問題をやってみたいと言うのです。
新しいことを学び、興味を持ったのでしょう。
男の子と女の子で学力的に差はありませんが、性格的な違い上、
男の子の方が算数・数学が得意になること子供が多いようです。
男の子と女の子の国語・英語への取り組ませ方
女の子は勉強の取り組み方が几帳面な傾向にあります。また、コミュニケーション力も女の子の方が発達しています。
そのため、女の子は特に大きな苦労をすることなく、
国語・英語の力を上げていくことができる傾向にあります。
もちろん着々と勉強をしていけばの話ですが。
これに対して男の子は、精神的な幼さから、国語・英語の力を伸ばすことが難しい傾向にあります。
塾に通って、問題の解き方などを教わっても、いろいろな教材を使って問題演習を繰り返しても、
それらをなかなか身につけることが出来ないのです。
一番の解決策は、ご家庭でのコミュニケーションを多くすることです。
コミュニケーション力は机に向かった勉強では伸ばすことが出来ません。
人と人との会話を通して養われてくるものです。
友達との会話、先生との会話、家族での会話・・・
あなたに出来ることは「家族での会話」を増やしてあげることです。
家族での会話が増やし、コミュニケーション力が養われれば、
当然、友達や先生との会話も増えることでしょう。
そして、友達や先生との会話から、さらにコミュニケーション力が身につき、
国語力、英語力は一気に伸びることもあります。
まず最初に大事なのは、家族でのコミュニケーションです。
一般的に女の子の方が、料理を手伝ったり、その日の出来事を話したり、
家族でのコミュニケーションをとる機会が多いようです。
そのため、女の子は男の子よりもコミュニケーション力が発達しています。
男女のコミュニケーション力の差は、大人になれば変わってくるというものではありません。
子供の頃のコミュニケーション次第で、将来のコミュニケーション力にも大きな差が出てきます。
「仲の良い姉妹は多いが、仲の良い兄弟はそれほど多くない」
これは、いい例ではないでしょうか。
この傾向は大人になっても変わっていませんよね。
男の子と女の子の理科・社会への取り組ませ方
男の子は興味を持ったことに没頭してしまう傾向にあるので、理科や社会の中でも得意不得意がはっきりしてきます。
たとえば理科では、物理と生物は得意で化学と地学は苦手などのように、得意分野がわかれます。
社会でも、地理や歴史で、ハッキリと得意不得意に分かれるのは男の子に多い傾向にあります。
そのため、得意分野が出題された1学期と3学期はよい成績で、
苦手分野だった2学期は成績が悪いなど、成績やテストの点数にバラツキが出やすくなります。
ですから、男の子は成績やテストの点数で一喜一憂せず、興味を伸ばしていくことが効果的です。
一方、女の子の場合、その分野に興味を持った男の子たちと、興味を持たなかった男の子たちが、
それぞれ良い成績と悪い成績に集中するので、平均的な成績を取ることが多くなりそうです。
ですから、「がんばっているのに、なぜ成績が上がらないのだろう」と思うこともあるかもしれません。
女の子は成績を意識せずに着々と勉強を積み重ねていくことが効果的です。
(注意)
これらは、あくまでも僕が子供たちを見てきた印象で、一般的な見解とは異なるかもしれません。
また、当然ながら個人差があります。