ちょっと変わった教育事件簿
僕が勤務している学習塾で実際にあった「ちょっと変わった事件」を紹介します。誰もが当たり前だと思っていること・・・
子供たちにとっては意外と普通ではないのかもしれません。
ぜひ、あなたのご家庭でもチェックしてみてください。
「適当」という言葉の意味
国語の授業中のことでした。次のような問題が出題されました。
筆者の言いたいことは何ですか。
次の中から最も適当なものを選びなさい。
ある生徒は・・・
最も間違っていると思ったものを選択していたのです。
一番いいかげんな内容のものを探していたのです。
「適当」「テキトー」・・・
最近では「適当」を「いいかげん」という意味でとらえる子供も多いようです。
辞書で調べてみると「ふさわしい」「いいかげん」両方の意味が載っています。
もちろん題意の「適当」は「ふさわしい」という意味です。
東西の判断ができない
「太陽が東から昇って西に沈むのか、それとも、西から昇って東に沈むのか」子供たちの3割は理解していないと、2004年9月末にニュースで話題になりました。
「理解していない子供が3割もいるのか」
多くの方は、そう思ったことでしょう。
しかし・・・
「理解している子供が7割もいるのか」
これが僕の感想でした。
日本地図や世界地図を見たときに、
どちらが東で、どちらが西か判断できない子供が多いのです。
中学校3年生で、子供の約2〜3割は、東西の判断が出来ません。
ですから・・・
「太陽が東から昇って西に沈むのか、それとも、西から昇って東に沈むのか」
東西の判断ができた上で、これを正しく理解している子供は、
実際のところ、半数に満たないのではないでしょうか?
東西の判断が出来ていなかった場合、次のような教え方はどうでしょうか?
まず、日本地図を広げます。
または、世界地図の中で日本を指差します。
「関東は、どのあたり?」「関西は、どのあたり?」
この質問ならば、子供は答えることができるでしょう。
「じゃぁ、どっちが東で、どっちが西?」
これならば、どちらが東でどちらが西か、教えてあげなくても
子供は自分の力で考えて判断することが出来ます。
子供にとっては、「教えてもらった」のではなく、
「ヒントをもらって自分で考えて解いた」となるのです。
また、教えてもらったり、暗記してもすぐに忘れてしまうのに対し、
自分で考えたものや、勉強とは関係ない話は、意外と覚えているものです。
実は黒板が見えていない
個別指導塾で黒板を使って教えていると気になることがありました。「黒板が見えない」という子供が多かったのです。
学校の授業でも黒板が見えずに受けている子供・・・
意外と多いようです。
あなたのお子様はしっかりと黒板が見えていますか?
字を濃く書かせたい
もっと字を濃く書かせたい・・・小学生で字を薄く書くクセがついている子供がいました。
極端に薄い字を書く子供は、なかなか学力が上がらない傾向にあります。
偶然の出来事が起こりました。
授業中に「ある遊び」をしたところ、急に字を濃く書くようになったのです。
その遊びとは・・・「アルファベットを書かせたこと」です。
「中学で習う英語ってこんな文字だよ。書ける?」
子供はお手本を見ながら文字を書いていきます。
・・・字が濃くなってる
今まで使っていない文字だからでしょうか?
不思議なものですね。