<算数・数学の勉強の仕方> コンパスの役割
コンパスの役割はご存知ですか?お子様にも聞いてみましょう。
「コンパスの役割は?」
「コンパスは何をするためのもの?」
ほとんどの子供は、「円を描く役割」と答えるでしょう。
お子様が小学生ならば、この答えで正解です。
中学1年生でも、まだ平面図形を学習していなければ、この答えで正解です。
中学1年の平面図形を学習した後からは、この答えは不正解になります。
コンパスの役割は、円を描くことではありません。
コンパスの役割は、ある点から等しい距離にある点の集合を描くことです。
針を刺した点から、「コンパスを広げたぶんの長さ」の距離にある場所に点を書き、
その点を結んでいく(1周させる)と、結果的に円ができます。
つまり、ある点から等しい距離にある点の集合を円というのです。
子供たちは、「コンパスを使うと円が描ける」ということだけを覚え、
円を描くこと以外にコンパスを使うことができなくなります。
平面図形の単元では、垂直二等分線の描き方、角の二等分線の描き方など、
様々な作図を勉強します。
コンパスの役割を理解していなければ、これらの理解も曖昧になります。
理解が曖昧というよりも、ただ描き方を丸暗記するだけになります。
基本的な問題は、描き方を丸暗記して正解することができるのですが、
応用問題を解くことは、かなり困難になります。
コンパスの役割を最初に理解する。
これだけで、中1で学習する平面図形の理解がまったく違ってきます。
しかし、学校でコンパスの意味や役割を教えてくれることは、ほとんどありません。
コンパスを使い「円は、ある点から等しい距離にある点の集合」ということだけが説明されるのです。
そして子供たちは、この言葉だけを丸暗記してしまうのです。
本来は、この部分を時間をかけて重点的に教えてあげるべきだと思うのですが・・・
そこで、あなたのほうからお子様にコンパスの役割を教えてあげてください。
しかし、お子様が小学生の場合、この説明は少し難しいでしょう。
中学1年の平面図形の学習に入る直前が良いタイミングだと思います。